雲仙岳災害記念館 がまだすドーム

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雲仙岳の自然

素晴らしいフィールドにようこそ!

雲仙は島原半島の屋根だ。島原半島は周囲を海に囲まれた内陸型気候だが、雲仙はその中にあって山地型気候となっている。雲仙岳は一つの山ではなく、普賢岳、妙見岳、九千部岳、絹笠山など10ほどの火山が集まってできている。そのため、高地の自然と合わせて火山地帯の特色もあわせて見ることができる。また雲仙一帯は標高差が大きく、標高に応じたそれぞれの樹林があり、狭い面積の割には変化に富んだ動植物が見られる。また昔から地元の人々によって自然が守られてきたため、観察を行なうには最適のフィールドなんだ。

雲仙岳の魅力についてより詳しく「雲仙岳百景(九州地方環境事務所)」

雲仙の四季

季節ごとに鮮やかに表情を変える雲仙。それを演出しているのは植物だ。晴れの日も雨の日も木々の幹、葉、花が舞台装置となって、見るものを飽きさせないドラマを繰り広げている。

華やかな春

3月、雲仙の裾野で木々が芽吹き始めると、春はたちまち雲仙を覆い尽くしてしまう。5月、主役はツツジ。まるで狭い檻から解き放たれた野生動物のように、ミヤマキリシマが緑の中で自分たちが主役であることをアピールする。

さわやかな夏

朝霧が晴れると、そこにあらわれるのは日ごとに濃さ増す緑を映す池の水面。太陽が上るとともに空も水もますます青くなる。澄みきった空気のひんやりとした感触が標高の高さを改めて教えてくれる。

実り豊かな秋

10月、季節のドラマは、今度は雲仙の頂上近くの紅葉から始まる。南へ渡っていく鳥たちが雲仙の上空で編隊飛行を見せる頃、山全体に広がった紅葉は、収穫の季節のクライマックスを告げているようだ。

きびしい冬

ガラスのようになった木々、水晶みたいな森。それは雲仙の冬の装い。夏には池のほとりを漂っていた霧が、この季節には霧氷となって陽の光にキラキラと輝く。まるで春の訪れを待ち焦がれる鳥たちの目のように。

雲仙の植物相

標高950m以上 落葉紅葉樹林帯
標高600m~標高950m 混交樹林
標高600m以下 照葉樹林帯

雲仙の植物群落

コハウチワカエデ─ケクロモジ群落 山頂部
モミ─シキミ群落 山頂下部のやせ尾根や急斜面
アカマツ─ミヤマキリシマ群落 溶岩上や硫気孔付近
コハウチワカエデ─ケクロモジ群落 山頂部
モミ─シキミ群落 山頂下部のやせ尾根や急斜面
アカマツ─ミヤマキリシマ群落 溶岩上や硫気孔付近

雲仙植物歳時記

ツクシショウジョウバカマ(九千部岳、田代原)
エイザンスミレ(普賢岳、妙見岳、国見岳)
アオモジ(諏訪の池周辺)
シャガ(諏訪の池周辺)

レンゲツツジ(原生沼)
カキツバタ(原生沼)
ヤマボウシ(絹笠山、白雲池)
ウバユリ(衣笠山、白雲池)
ムラサキシキブ(白雲池)
ハナイカダ(白雲池)
ツルリンドウ(白雲池)
ヤマモモ(諏訪の池周辺)
カラスウリ(諏訪の池周辺)
シロドウダン(地獄周辺
ミヤマキリシマ(池之原、地獄周辺、仁田峠)
シャシャンボ(地獄周辺)
サイコクミツバツツジ(普賢岳、妙見岳、国見岳)
ヤクシマホツツジ(普賢岳、妙見岳、国見岳)
モミ(仁田峠)
ヤマアジサイ(普賢岳、九千部岳、田代原)

クサアジサイ(九千部岳、田代原)
センニンソウ(田代原)
キバナアキギリ(九千部岳、田代原)
ウンゼントリカブト(九千部岳、田代原)
リンドウ(田代原)
ウメバチソウ(田代原)
ヤマホトトギス(絹笠山、白雲池)
普賢岳の紅葉

ツワブキ(諏訪の池周辺)
ヤマホトトギス(絹笠山、白雲池)
霧氷(普賢岳、妙見岳)

は国指定天然記念物

雲仙動物歳時記

ウグイス(九千部岳、田代原)
ヤブサメ(九千部岳、田代原)
ホトトギス(九千部岳、田代原)
ホオジロ(九千部岳、田代原)
オオセンチコガネ(九千部岳、田代原)
ヒバリ(諏訪の池)

オオルリ(普賢岳、九千部岳、田代原)
ホオジロ(地獄周辺)
アカエゾゼミ(普賢岳)
クマゼミ(諏訪の池)
ウチワヤンマ(諏訪の池)
アオスジアゲハ(諏訪の池)
ダイコクコガネ(九千部岳、田代原)

エゾビタキ(九千部岳、田代原)
コサメビタキ(九千部岳、田代原)
コムクドリ(雲仙岳一帯)
クツワムシ(諏訪の池)
スズムシ(諏訪の池)

カイツブリ(諏訪の池)
カルガモ(諏訪の池)
キセキレイ(地獄周辺)
カラ類(地獄周辺)
コガモ(別所ダム)
マガモ(別所ダム)

自然とのふれあいにはルールがある

自然に親しみ、自然をとうとび、自然に学び、自然を楽しむために、そしてこのすばらしい自然をいつまでも保つためにルールを守って行動しよう。

●定められた場所以外には入らない。
●ゴミは必ず持ち帰ろう。
●植物、動物、鳥、昆虫などは採集したりせず観察するだけにしよう。
●大声をあげたり、ラジオなどを鳴らして歩かないようにしよう。